ソーセージのマリネ&すもものクネドリーキ

Utopenec (ソーセージのマリネ)
Ovocné knedlíky (すもものクネドリーキ)

梅雨明けを間近に控え、いよいよ暑い夏の到来です。そんな暑い夏にぴったり!冷えたビールのお供にもぴったりのチェコのホスポダの定番中の定番、ウトペネツとこちらも夏の定番デザート、今が旬のすももを使ってオヴォツネー・クネドリーキを作りました。
今回は油やオーブンを使わない、チェコ料理にはめずらしいヘルシーレシピでした!

チェコの伝統的なホスポダメニューのひとつで、冷製でいただくこちらのUtopenec(ソーセージのマリネ)。
ウトペネツとは、日本語で「水死体」といい、お酢から作るナーレフ(マリネ液)に長時間漬けられて水分を含み、ふやけた様がそのように見えることから名付けられた、つまり「土左衛門」の意味。チェコらしいブラックジョーク炸裂な、美味なる一品です。

ウトペネツの名前の起源は諸説あり、チェコのベロウン地方でホスポダと水車小屋を営んでいたシャマーネクという親方がそれを考案し、初めて客に振る舞ったのだそうで、ある日シャマーネクが水車を修理していた際にあやまって溺死したことを常連客が悼んで、彼の発明したこの珍味を「Utopenec(水死体)」と名付けた。という説も有力。

チェコではウトペネツに使われるソーセージは、špekáček あるいはbuřtという豚と牛の合挽き肉で作られたもので日本で売られているものとは形も味も若干異なるのですが、似たようなソーセージを用意しました!

ソーセージをそのまま単にマリネするのではなく、細かな下ごしらえをほどこします。

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ナーレフ(マリネ液)は家庭によってレシピもさまざま。今回はズィクムンドシェフによる基本のレシピを教わりました。家庭で作る際にはそれに自分の好みのスパイスを加えたりして、オリジナルの「土左衛門」を作ってみてもいいですよね!

ナーレフが冷めたら密閉して冷暗所で2週間以上寝かせます。今回は夏なので冷蔵庫で寝かせるようにとのことでした。チェコでは大切な伝統料理のひとつ。チェコ人はこの漬け具合があまいと文句がでるそうです。

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オヴォツネー・クネドリーキ、今回は旬のすももを使って、生地も前回とはひと味違うさっぱりもっちり甘酸っぱい夏にぴったりのデザートに仕上がりました。

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2回目のオヴォツネー・クネドリーキ、今回の生地は前回よりややスキルアップしたレシピです。手早く生地を練って、手早く型作るのがコツ!繊細かつ、大胆に。クネドリーキ作りは奥が深い!

オヴォツネー・クネドリーキはチェコの代表的な夏のスウィーツ。中に詰めルーツは今回のすももの他に、前回のイチゴ、あんず、ブルーベリーなどがあり、フルーツに応じて仕上げのトッピングも変わってきます。代表的なもので、クワルク(カッテージチーズ)や挽いたポピーシード、粉砂糖、溶かしバターなどがありますが、ホリーのおばあちゃんはスメタナ(生クリーム)も使ってました。こちらも家庭によって様々なレシピがあるんです。

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もちもちのクネドリーキの中にとろっとろのすもも。その上からカッテージチーズと挽いたケシの実、溶かしバターをトッピングして、いただきます。
すももの香りと甘酸っぱさ、バターのコクが口の中で広がり、もちもちの生地と合わさってあとひく美味しさ。どこかノスタルジックで素朴な味が実にチェコらしい夏のデザートです。

★今回も皆様と楽しくチェコ料理を作ることができました★
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。