チェコ蔵ペトル・ホリーおすすめのチェコスロヴァキア映画ヌーヴェルヴァーグの珠玉の名作達をご紹介
『Valerie a týden divů (ヴァレリエと不思議な一週間)』監督:Jaromil Jireš ヤロミル・イレシュ
1970年 チェコスロヴァキア 日本劇場未公開。今もなお、カルトな人気を誇る、ヴィーチェスラフ・ネズヴァル作(日本語訳はこちら)のチェコのシュールレアリスティックな少女映画です。日本ではかつて「闇のバイブル/聖少女の詩」というタイトルでVHS、DVDが発売されていましたが現在は絶版、入手困難です。
☆あらすじ☆
初潮を迎えたばかりの13歳の少女ヴァレリエ。眠る彼女のもとに兄の名を語る青年が現れイヤリングを盗む。夢うつつ、それに気づいたヴァレリエが青年を追いかけ外にでると白いマスクの男と出会い、そこから彼女の夢とも現実とも見分けがつかない、恥美で衝撃的、そしてシュールな禁断の白昼夢の世界が繰り広げられる。幻想的な音楽がさらにその不思議な世界感を増長させ、撮影当時、わずか14歳で主役ヴァレリエを演じたヤロスラヴァ・シャレロヴァーの、大人への扉を開けようとしている少女独特の、妖艶ともいえる見事な演技が、更なる怪しさを醸し出す。
監督・脚本:ヤロミル・イレシュ
原作:ヴィーチェスラフ・ネズヴァル
美術:エステル・クルムバホヴァー
音楽:ルボシュ・フィシェル
出演:ヤロスラヴァ・シャレロヴァー、ヘレナ・アニージョヴァー、カレル・エンゲル、ヤン・クルサーク
「高速ヴァンパイア(フェラトゥの吸血鬼)」
監督:Juraj Herz ユライ・ヘルツ
日本劇場未公開。DVDもかなり入手困難になってしまった、チェコの名SF小説家ヨゼフ・ネスヴァドゥバ著『20年ぶりの吸血鬼」を題材にした、巨匠ユライ・ヘルツ監督によるSFカルトホラー映画。
医者のマレク(イジー・メンツル)は、恋人で救急車のドライバーのミマ(ダグマル・ヴェシュクルノヴァー)が外国の自動車会社フェラトゥ社と契約を結んだことを知り、自身も自動車ラリーのドライバーに転身する。
しかし、その自動車はガソリンの代わりに人間の生き血を必要とするとんでもない車であった。
その車は競技に勝ち続けるのだが、果たしてその結末は・・・・?
撮影に使われた、たった1台しか作られなかったチェコ国産の試作車シュコダ(Škoda)110Super Sport 724型。その内装はこの映画のため、ヤン・シュヴァンクマイエルによって改造されました。
現在、ムラダー・ボレスラフにある、シュコダ博物館http://museum.skoda-auto.cz/にて展示されています。
Konec srpna v hotelu Ozon
『ホテルオゾンで8月の終わりに』
(1966年 チェコスロヴァキア)
監督:ヤン・シュミット
核戦争後の世界を彷徨う老女と若い8人の女性達は
一人の老人男性が住む「ホテル・オゾン」にたどり着く。
彼らは戦争後、唯一生き残っている人間かもしれない。
気がつくとここの世界にはなぜか、核戦争前と同様、豊かな森も
汚染されていないであろう水もあり、動物もおる。
しかし、何かが変わったというどこか野性的な雰囲気が漂っていた。
そしてついに悲劇が起こる。
パヴェル・ユラーチェクの短編をヤン・シュミットが映画化。
チェコ・ヌーヴェルヴァーグを代表するSF名作である。
チェコ・ヌーヴェルヴァーグ映画作品 全28タイトル DVD BOX
かつてのチェコ(チェコスロヴァキア)映画界にもヌーヴェルヴァーグが起こったとは知る人ぞ知る事実です。ヒチロヴァー、フォルマン(米国に亡命後ミロス・フォアマンの読み方で知られている)、ユラーチェク、ヤスニー、パセル、イレシュ、ニェメツ、シュミット、ヘルツ、シュヴァンクマイエルなど、著名な監督を多く輩出した1960年代はチェコ文化の黄金期でもありました。28枚のDVDはその卓越した映画文化を網羅しています。
詳細は TERRY POSTERS(チェコ語・英語ONLY)をご高覧ください。